『エレギの写本をめぐるささやかな冒険』
(1st edition)
あとがき&用語解説 さて、ここまでお読み下さった方、どうもありがとうございます♪ このお話は、アタラッド(世界)のシーアネスという北方諸国を舞台にしています。 今回のお話はシーアネス王国の商都ラングネースを舞台にしたものでしたから、登場人物はほとんど全員人間でしたが、人間以外にもいろんな種族がいるようです。あるいは、現実の世界にはいないような動物や植物も。いつか、この世界を別のお話にすることがあったら、その時はそうした生き物や種族を登場させてみたいと思っています。 あと、いくつか、用語や登場人物について書いておきますね。 ☆★登場人物について★☆ ・セルカ:主人公。中肉中背、銀髪で苦労性。魔法使いだが、ただの魔法使いではない。貧乏な、借金だらけの魔法使いなのだ。複雑な経歴と出生の謎は、いつの日か明らかになる……かどうかはわからないが。 ・カーレ:美女。自称図書館員。どうもシーアネス王国の為に動いているらしいが、真の目的は謎。意外にケチだったりもする。別名、「シーアネスの峰不二子」。 ・ピーズナープ:黄金色の髪を持つ、十歳くらいの少女。しかしてその実体は…… ・ヴィフィネン:大賢者、大魔術師。ただし、山師とか道化などとも言われ、たちの悪い冗談が好きであるというウワサ。現在、生死不明。ついでに行方も不明。 ・スオバッコ:小柄で元気なおばあさん。占い師で小金持ち。ついでにセルカの店の大家さんでもある。お金も貸してくれたりする。 ・ブリヤート:ベラ・ス・スクーツ諸侯領の宰相。策略家という評判。 ・ドラン:真の名前はポトラン。別名、”赤い爪”。諸侯領の宰相の腹心とか。 ・船頭:渋い面構えの船頭。世の中の酸いも甘いも知っている。なので、口もきかない。 ☆★名前の出てくる神々のこと★☆ ・イルマタール:創世神話にいう、大気の乙女の一。世界の母。ワイナミノス、イルマリネンを生んだ。 ・ウツツヨ:至高神。創造主。ベラ・ス・スクーツ諸侯領ではパウアンネ。他にもユマラ、アイヨなどとも呼ばれる。ユマラという名称は、ウツツヨ以外の神々にも対しても使われることがあり、「神」というほどの意味。 ・ワイナミノス:不滅の詩人、不滅の賢者。その姿は常に老人で、滅びることはないという。水の神。主神的な位置づけをされることが多い。 ・イルマリネン:ワイナミノスに匹敵する唯一の存在。不滅の工匠、天地の鍛造者。天空神。火の神。 ・トゥオニ:トゥオネラ(冥府)の女主人。死の女神。ヤブメアークとも言う。「死」「死者」の意味もある。 ・トゥーリーク:タピオとミエリークの娘。風の神。 ・ヨクハイヌ:ワイナミノスに嫉妬し、挑みかかった神。後に堕落し、暗黒神となった。アイノの兄。ピメントラ(暗黒の国)の主。 ☆★出てくる言葉のこと★☆ ・ヘルガ:トナカイに似た動物の総称。ミルクの素。肉は食用になり、訓練すれば乗ることも出来る万能動物。 ・クルト:通貨単位の一。三十クルトは結構な大金。セルカは何に使ったのだろう? ・オファヘーヤ:「先生」あるいは「師」というほどの意味。古代には、魔法使いに対して使われたという。人の知らないことを知っている人に対して用いる敬称。 ・ソイニ:「少年」とか「坊や」というほどの意味。二十歳過ぎて「ソイニ」と呼ばれたら、それはからかわれていると思ったほうが無難。 ・ファナス・トゥーリ:平底舟。ゴンドラに似た小型の舟。ファナスは「舟・船」の意味。 ・ラウラ:「歌う」という古語に由来する。ラウシャより遙かに古く、その原型になったといわれる形式。旋律と韻律と詩句を紡ぐことにより魔法を編み上げる。ラウシャ以上に個々人の精神適性に依存する。ラウラの最大の特徴は、編み上げる呪文を見ることが出来る点と、形式が決まっているラウシャと異なり、思い通りに編み上げることができる点にある。神話においてワイナミノスやイルマリネンが用いる魔法はラウラの一形式と考えられる。 ・ラウシャ:「唱える」という古語に由来する。その名の通り、ある形式の呪文を唱えることで、言葉に力を与える魔法の形式。個人の精神や適性に大きく由来し、普通の人が唱えたところで殆ど効果はない。いわゆる、魔法らしい魔法。 ・イシェル:骨のこと。 ・ヴァーリ:山のこと。ヴァーリードと語尾が変化すると、「山の〜」となる。 ・ラッカ:クリームのこと。甘くて美味しいが、隠語としての意味は「幻覚剤・麻薬」なので気をつけよう。 ・大きい月がアリト(青の意)、小さい月がアリーハ(碧の意)。マヌは「月」 |