地名・固有名詞 一覧


ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行



< 天駆ける投資者 >
光速、もしくは限りなく光速に近い速度での移動を行う場合、移動主体とそこに搭乗する人々の主観時間での加齢は客観時間での加齢を大きく下回るという相対論的事実から派生的に誕生した、投資者たちの名称。
彼らは光速に近い速度で航行する巨大な船で星々を渡り歩き、客観時間の世界に貯蓄・投資を行って、その価値の利子により膨大な利益を上げた。ただし、投資した世界の政治体制の急変や債務不履行宣言などで巨大な損失を出し、消え去った投資者も多い。
彼らは超光速時代の到来とともに次第に姿を消していったが、その巨万の富は伝説として語り継がれ、例えば<月=地球系共同体>の執政官について、投資者の子孫であるという噂の原因となった。


< アルヴィ・メアチ >
辺境の一星系の名称。またはその星系を統治する共和国の名称。
3200年代に植民がおこなわれ、3310年に独立政体に移行。
可住惑星は第二惑星<雨の森>。アルヴィ・メアチという名称自体、雨の森を意味するラップ語に由来する。
3400年代以降、観光資源の開発に力をいれたが、失敗。その後は零落の一途を辿ることになった。


< 環太陽 >
正確には「環太陽共和国」。第一から第九まで、九つの国家がこの名称を採用している。そのため、それぞれを、環太陽第○共和国として区別する。ただし、この九ヶ国は議会組織を共通しているため、<環太陽>と総称することがある。
この国家群は、もともとは太陽近くに建設された半物質精製プラントだったが、後に独立政体となった。そのため、前光速時代には大きな影響力を誇った。


< 球体楽園 >
ネクサス社によって木星衛星軌道上に建設された球状人工天体。金属製のサッカーボールを想定し、その皮の内側に庭園が貼り付いている様子を想像するとわかりやすいかもしれない。巨大なコロニーの一種なのだが、全体が巨大なリゾートとして運用された。
建設に際しては、エリダヌス条約第四条に抵触する可能性が指摘され、政治問題化したという経緯がある。またその生態系構築に際して地球から違法に遺伝子資産を搬出した疑いで長期にわたる調査を受けた。完成後は様々な星際政治の舞台となり、既知宇宙にその名を馳せた。


< 重力推進 >
前光速時代中葉に実用化され、のちに反物質推進を駆逐して宇宙航行の主役として一時代を築いた推進機関の名称。こちらも理論は1900年代に存在していた。
ボンディにより理論的に存在が予言された負の物質(鏡像物質・反物質とは異なる)を用いる推進方法で、R・L・フォワード博士によって基本的なコンセプトがつくられたものの、実用化には数世紀の時を経なければならなかった。ペンローズ機関の登場により主役の座は追われることになったものの、その後も恒星系内の航行などにおいて主駆動機関として長く用いられた。


< 地球封鎖 >
2400年に起こった事件。
2400年7月20日、地球からの一切のチャンネルが遮断され、地球は突如として無線封鎖された状態に陥った。このため、太陽系のさまざまな国家・機関が地球の調査に赴いたがいずれも失敗。後に無線封鎖は解除され地球からの脱出は期限付きで認められたものの、一切の立ち入りは認められなかった。
この事件は、公式には<地球の生態系保全を目的とし、人の干渉を排除して痛めつけられた環境・生態系の自立的回復を促す>ために行われたとされているが、そもそもの行為主体が明確でないなど、謎も多い。一説には、その後成立した<月=地球系共同体>によるものとも言われる。
ちなみに、2400年時点で地球の人口は既に10億近くまで落ち込んでいたが、この事件により三億を大きく下回ることになった。


< 帝国 >
帝国には二種類の意味がある。ひとつは、「帝国主義」等に代表されるように、国家形態に関わりなく覇権主義的な拡大路線を志向する国家を指す場合。もうひとつは、皇帝などと称される世襲権力者による専制政体を有する国家を指す場合である。クオン・トリニティに登場する前者の代表としては<月=地球系共同体>があり、後者の代表としては5205年に成立した<帝国>が挙げられるだろう。

★<帝国 >の詳細へ★
★詳細の補完事項★


< 反物質推進 >
極めて初期の、前光速時代に開発された推進機関の名称。
理論的には、1800年代から存在していたともいわれる、宇宙空間航行の一方式。
反物質と常物質を反応させることにより推力を得る。物質の持つエネルギーを完全に引き出すことが可能で、しかも推進剤が少量ですむことから夢の推進機関と言われた。重力推進機関の登場まで、宇宙航行における主役の座を占め続けた。後期には、排出される各種放射線を遮蔽するために巨大なスカートをそなえる船もあらわれた。あたかも宇宙に翼をひろげたような優美な姿であったことから、美しさの代名詞ともなった。(ちなみに、無駄・非効率の代名詞としても使われた)


< ペンローズ機関 >
1900年代に地球・英国で生まれた偉大な数学・物理学者、R・ペンローズの空間理論と関連数学の著しい発達のすえに開発された、超光速駆動機関の名称。
一見すると、ワープを行っているようにも見えることから、<ワープ・エンジン>と呼ばれることもあるが、厳密にはワープとは異なる。